行き届くと言うこと

概念を変える被害状況

令和元年の台風15号は、大規模災害の概念を変える災害と言ってもいいだろう。

被災という言葉は、災いを被るということ。
災いの種類は多くあるけれど、被災という言葉に大小の物差しはない。
被災者というと地震、津波、洪水、広範囲の危険物質漏洩被害などの生命存続の危機に遭遇するような災害で生命や財産に被害を受けた人というイメージがあるが、台風によって被害を受け、長期間に渡り通常の生活を送ることができなくなった人も被災者であることに相違はない。

台風による災害発災後一週間経とうとしているが、未だ何万戸という家庭が停電しており、風害により屋根が剥離した家もその実態を把握できないほど存在している。

被災の後に襲う新たな災い

そんな中、弱り目に祟り目と言うような事件が発生している。
それが「ブルーシート詐欺」だ。

業者を名乗り、即剥離した屋根の修理に取り掛かるが、ブルーシートを養生テープで破損部分を少し覆って処置したように見せかけ18万円を工賃としてせしめて立ち去ると言ったものだ。

十分注意していただきたい。そのような悪事を考えつく者はお年寄りの家を狙う。特に一人暮らしの老人はターゲットにされ易い。
消火器や住宅用火災警報器などを高額で訪問販売する人間はもっと酷い。
「消防署の方から来た者です。」という語り口で、あたかも消防署の人間が設置義務を盾に購入を勧める方法で情報や災害に対して知識の少ない弱者を騙す。

行政は、法律で義務化された物については、設置するように普及啓発はするが販売はしない。
また、一般家庭に住宅用火災警報器の設置は法律で義務化されているが、消火器の設置は義務化されていない。

新たな災いの元

さて、今回の台風によって被災した被害の中で、詐欺紛いの行為が発生するほどに緊急で深刻な被害と言えるのが屋根の剥離である。

町役場でブルーシート配布 千葉 鋸南町
出典:NHKweb 2019年9月11日 18時05分

行政でも、災害の被害対応用にブルーシートを配布したが、停電によりメディアからの情報伝達経路が断たれた事に加え被害家屋の実態が掴めないことと予想をはるかに上回る被害が発生したこと、また、高齢者宅の多い地域では配布の情報が周囲からも伝わらなかったことや実際に配布場所へ出向くことができなかったなど、折り重って連鎖していく悪循環によって市民の不平不満が積もる事態となっている。

そんな中、河野防衛大臣は台風15号の被害を受けた千葉県で自衛隊の支援作業を視察し、被災した住宅の屋根にブルーシートを設置する作業についても支援を強化していく考えを示した。

行政のサービス、ボランティアのマンパワーなど被災された方のために一刻も早く行き届かせたいと必死にオペレーションしている方々にとってもマニュアルや想定を遥かに上回る事態を発生させた激甚災害であると言っていいのではないだろうか。(まだ法律よる激甚災害に指定されていない)

行政の対応で活用されたTOC事例

ブルーシートの配布では、昨年関西地方に大きな被害の爪痕を残した台風21号での災害対応で泉大津市さんがTOCの「全体最適」の視点を生かして、対応の滞りを対応開始2日後には大きく改善させた事案がある。

その内容をたくらみ屋のダダ漏れブログで紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

台風被災対応を全体最適で大きく改善した市役所さん

更に9月18日現在、空き巣や発電機の盗難などの被害も数多く報告されている。
3万件余りの停電が続いている千葉県内の地域では、警察や消防などの行政がこのような被害に遭わないよう被災者に広報し巡回や警らを強化しているが、改めて安心安全の基本である「自己確保」を念頭に置き窮地を乗り越えていただきたいものである。

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投稿者プロフィール

kano
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かのさんこと鹿子澤浩美(カノコザワヒロミ)です。
緊急時に活用できるTOC理論をご紹介しています。
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